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幸せの時間 あらすじ 36話 ブログトップ

幸せの時間 あらすじ 36話 [幸せの時間 あらすじ 36話]

幸せの時間 あらすじ 36話

家の奥から達彦を出迎えたのは燿子だった。

「どういう事だ・・・どうやってうちに・・・」

「ちゃんと鍵を開けて入ったに決まってるじゃない・・・自分のうちだもの」

燿子は鍵を取り出して達彦に見せた。

「・・・何で・・?」

それが良介が捨てた鍵である事など達彦にわかるわけがなかった。

「ありがとうパパ。こんなに早く私と赤ちゃんを迎え入れてくれて」

「さあ、来て。早く」

燿子は足元がおぼつかない達彦を急かし、リビングに連れていった。
そこには数十本のロウソクが飾られ、食卓にはメモリアルキャンドル、
ソファー前のテーブルにはケーキが置かれていた。

それは燿子が用意した二人の結婚式の式場だった。

燿子がリモコンを操作すると結婚行進曲が流れだした。

「待ち遠しかったわ、今日が来るのが」

「あなたが私だけの物になり、私があなただけの物になる」

「出会ってから毎日毎晩、この日を夢見てた」

燿子は達彦を引っ張ってソファーまで歩き、そこへ腰掛けた。

「指輪の交換をしましょう」

「指輪・・・?」

燿子は不思議そうに訊く達彦の右手を掴むとその人差し指に小さなナイフをあてた。

「・・おい・・何を!・・痛!」

「静かにして・・・これは神聖な儀式なのよ」

燿子はためらうことなくナイフを引いた。
達彦の指先から血が浮き上がった。

燿子はその血を自分の左手の薬指にぐるっと塗りつけた。

「今度は私からあなたへ」

燿子はそう言って今度は自分の人差し指を切ると達彦の薬指に血の指輪を作った。

「これで私達、永遠に一緒ね」

「・・・狂喜の沙汰だ」

燿子は満足そうだった。
あまりの事に達彦は呆然としていた。

「キスして、誓いのキス」

達彦は放心したまま燿子の言うとおりにした。
燿子は結婚式の式次第を順調にこなしていった。

「次はケーキ入刀、晴れて夫婦になった二人の初めての共同作業」

燿子は達彦の手を取り目の前のケーキにナイフを入れようとした。
そこで達彦はケーキの横に置かれた書類に気がついた。

「・・・これは・・・」

「結婚式が済んだら手続きしましょうね、パパ」

それは婚姻届だった。
既に達彦の名前も書かれていた。

寝室も燿子の手が入っていた。
智子がいた頃の清潔なイメージから赤の派手なシーツに変わっていた。

「全部入れ替えたの、カーテンもシーツも。この写真も」

「ガラスが割れてたでしょ、だから新しくしたの。今日からここが私たちの愛の巣ね」

燿子が差し出した写真は元は達彦と智子が写った結婚写真だった。
今は智子だけが破りちぎられ、そこに燿子の写真が重ねられていた。

「クックックッ・・・」

「どうしたの?」

急に笑い出す達彦に燿子は不思議そうに訪ねた。

「何もかも見放されたと思ったら、残ってた物がひとつだけあったか」

「これが、新しい俺の人生か・・・」

「そうよ、あなたと私と生まれてくる赤ちゃんと、幸せになりましょうね。パパ」

それは地に落ちた男にふさわしい物だと思った。
燿子はあくまで幸せになれると信じているようだった。

「そうもいかないんだよ。俺は落ちこぼれだ、会社からはじき出された。明日から失業者だ」

「バカな会社。あなたみたいな優秀な人を放り出すなんて」

「あなたはここで終わる人じゃない、これからよ」

達彦が失業したというのに燿子に達彦は呆れていた。

「おめでたい女だな」

「幸せだもの。これまで生きてきた中で今日が一番幸せだもの・・・」

「愛して・・・赤ちゃんと一緒に、3人でひとつになりましょう。・・・来て、パパ」

燿子はその身をベッドに横たえた。

「運命か・・・これが・・俺が招いた運命か・・・」

「そうよ。運命の神様が決めた事なの」

達彦は憎しみの目で燿子を見据え、ならばトコトン落ちてやろうと燿子にしがみついた。

床の隅で破られた写真に写った智子はなぜか悲しそうに見えた。


香織は病院の待合室で矢崎をまっていた。
エレベーターのドアが開くと矢崎が飛び出してきた。

「おじさん!」

「あ、絵里子は?・・・まさか」

矢崎と香織は絵里子の病室にあがった。
絵里子はマスクをつけたまま昏睡していた。

「私が来た時は意識が混濁してて、お医者さんはいつどうなってもおかしくないって」

「どうして、すぐ電話しなかったんだ」

「しようと思ったけど怖くなって」

絵里子は以前から最後は必ず矢崎に看取ってもらうと言っていた。
香織は矢崎の顔を見たら絵里子は安心して死んでしまうのではないかと心配していた。

矢崎は香織もまた自分と同じ気持でいてくれる事が嬉しかった。

「俺、今夜親父さんと一緒だったんだよ」

「パパと?やめて、あんな人の話」

「偉そうな事言っちまった・・・女はみんな死ぬまでお姫様」

「俺がどれだけこいつを幸せにしてやれたって言うんだよ」

「不甲斐ない男でごめんな、幸せにしてやれなくてごめんな」

達彦はあんな男だがそれでも家族を幸せにしようと一生懸命だった。
自分はなにも出来ず、絵里子に苦労ばかりかけてきた。

病気もなおしてやれない自分がトコトン情けなかった。

幸いな事にその後絵里子はなんとか意識を回復した。

「意識戻ったんだ。絵里子さん、良かった」

香織は奈津の部屋に帰ってきた。

「学校、休んじゃおうかな・・・」

「寝てないんんでしょ?休んじゃえ。私がママのフリして電話してあげるよ」

「マジで?さすが奈津さん」

少し前までは一人で寂しかったこの部屋も良介や香織が出入りするようになって
あかるくなった。

奈津は自分を頼ってくれる人がいる事がなにより嬉しかった。

「あれ?結婚情報誌」

「ああ、貰ったの。産科で一緒のママさんに」

「結婚式するの?」

「まさか、お金使って式なんか挙げるつもり私も良介もないし」

「今はそんな悠長な事言ってる場合じゃないっしょ」

奈津は話しながら香織の方を見た。
香織は何やら考えこんでいるようだった。

「どうしたの?」

「・・・結婚式・・・結婚式か・・・」

香織はなにか思いついたようだった。


夕食は智子が作った。

「最高!毎日こんなにうまい料理で晩酌できたら極楽だわ」

みどりは異様に感激していた。

「だんだん言ってくれなくなるのよね、毎日食べてると」

「私は褒める、褒めまくる。だからこのまま私の嫁になっちゃえば?」

「フフ・・何それ」

「ここに居てくれて炊事洗濯受け持ってくれたらその分援助するよ」

みどりの気持ちは嬉しかった。
でもなにかおかしかった。

「みどり、あのさ・・・ご主人と何かあった?長期の出張って本当?」

「この家、男の人の気配が無いっていうか、ご主人の物全然置いてないし」

「前はお揃いのマグカップがあったり、お箸があって・・・」

そこまで言われてみどりは白状するしか無くなっていた。

「実を言うと・・逃げられちゃったんだよね。」

「逃げられた?」

「好きな相手ができてその人と一緒に暮らしたいって」

智子には初耳だった。
みどりの話によると、12月に出ていったらしい。
クリスマスディナーに二人で行く予定だったのが旦那が出ていってしまって不要になったのだ
あの招待券にはそんな訳があったのだった。



智子は自分だけが辛い思いをしていたと思っていたが、
同じ頃みどりも苦しんでいたのだった。

それでもみどりは駆けつけてくれた。
本当にありがたいと智子は思った。

ただ、驚いたことにみどりの旦那が一緒に住みたいと言った相手は男性だった。

「そういう友達は何人かいるけど、まさか自分の夫だった人がねえ・・・」

「みどり・・・」

「意外に冷静だね。智子は潔癖症だからこんな話したら悲鳴上げるんじゃないかと思ってた」

「そんなこと・・・ただみどりがどんな気持ちだったかって」

「そりゃもう・・・飲み込むしかないでしょ。この場合」

みどりはあっけらかんと言い、缶ビールのタブを引き上げた。
気丈にしているみどりだが、相当な葛藤があったに違いないと智子は思った。

「世の中にはいろんな愛があるってことよね・・・」

「男が好きな男がいても何の不思議もないのかも・・・」

そう思えば、篠田や燿子の愛し方も特別ではないのかもと、智子は思った。

「じゃあさ・・・女と女は?」

「えっ?」

「私、あんたの事ずっと好きだったんだよね」

いきなりな言葉に智子はまさかと思った。

「でも、誤解しないで。そういう関係になりたいっていうわけじゃないから」

「なんか高校生の頃から他の女友達とは全然違う感じで、もうスペシャルで好きだった」

みどりは自分が達彦と寝てしまったのは智子が認めた相手を
自分も知りたかったのかもしれないと言った

「ごめんね。変な話蒸し返しちゃって」

「私もずっと好きだったよ、みどりの事。たぶん、どの女友達よりも全然スペシャルにね」

おかしくなって二人で笑った。
智子は自分がこんな事を言えるようになった事が自分でもしんじられなかった。

玄関のチャイムが鳴った。

「誰だろ・・・こんな時間に」

みどりは玄関に応対に出ていった。
ドアが閉まる音がするとすぐにみどりは戻ってきた。

「智子、お客さん」

みどりの後から入ってきたのは香織だった。

「香織、来てくれたの?」

「ママじゃない、みどりさんに相談があって来たんです」

智子はてっきり自分に会いに来てくれたんだと思った。
ちょっとがっかりする智子だった。


朝、燿子は家の前を掃除していた。
道行く人に声をかけ、一生懸命主婦を演じていた。
少し離れたところから家を振り返り満足そうに眺めていた。


良介は今日も近くの家の建築現場に来ていた。
職人たちが忙しく動くのを見ながら何かを思うのだった。

「あのう!」

「何だ、またお前か」

棟梁が良介を見つけて答えてくれた。

「俺、浅倉良介と言います」

良介は何を思ったかそれから自分の身上を話し始めた。

「お前、何言ってんだ?」

棟梁はいきなり名乗られて何の事かわからないようだった。
それは良介の履歴書だった。

「あの、仕込んでもらえないでしょうか、俺を」

「ああ?」

「私に大工の修行をさせてください。お願いします!」

良介はその現場の棟梁に深々と頭を下げた。

家に翻弄されてきた良介は決意していた。
自分の家族が安心して暮らせる家を自分で建てようと。

それが何かの証になると思っていた。


「お花くださいな」

その声に篠田は顔を上げたが、表情が緩む事はなかった。

「私、新婚なんです。アザレアニュータウンの浅倉っていう家にお嫁に来たんです」

「私とパパの愛の城、綺麗なお花でいっぱい飾りたくて」

「あんたに売る花は無い」

篠田は冷たく言い放った。

「バカ言うな、花を売るのが仕事でしょ?」

「あの庭もパッとしないから、私のイメージに合わせて全部植え替えて」

それでも篠田は応じなかった。

「もうあの家を花で飾る必要は無い。毒の花が一輪あれば充分だ」

「毒の花?」

「あんたの事だよ。あの家にはあんたという毒の花が咲いちまったのさ」

燿子は家に戻ると智子が立っていたキッチンで大声をあげていた。

「篠田めぇぇ!!」

その勢いでまな板の上の魚をぶつ切りにしていた。


香織は絵里子の主治医に相談を持ちかけていた。
みどりと智子が一緒についてきていた。

「結婚式・・・ですか?」

医師は不思議そうに聞いていた。

「絵里子さんに最後の思い出を作ってあげたいんです」

「矢崎のおじさんに絵里子おばさんの幸せな顔見せてあげたいんです」

難色を示す医師に智子も一緒に頼み込もうとした。

「娘のお二人に対する精一杯の気持ちなんです。何とか・・・」

「私の気持ちは私が話すから」

香織は智子が口を挟むのを許さなかった。
その様子を見てみどりが話に加わった。

「あの、結婚式と言ってもドレスを着て身近な人にお披露目する程度ですから」

「しかし、ご承知のとおり、矢崎絵里子さんはもう限界を超えた状態で」

「無理をすれば残り少ない時間がさらに・・・」

医師はやはり許可してくれそうになかった。

「やらせてください。結婚式・・・」

声のした方を見ると絵里子が車椅子で出てきていた。

「気分が良くて、看護師さんに・・・お散歩お願いしたら香織ちゃんの声が・・・」

「おばさん・・・」

「香織ちゃんの気持ち、本当に嬉しい。先生・・・どうか・・・お願いします。」

医師はなんとか許可してくれた。


「つらくないですか?」

ベッドの上でみどりが絵里子を採寸していた。

「おばさんに似合うドレスみどりさんとこにある?」

「あるわよ。デザインもシックで絵里子さんに似合うと思うわ」

「楽しみだね。おばさん」

香織は満面の笑みを浮かべていた。

「ねえ、この事矢崎には当日まで内緒にしてくれない?」

「私からあの人へのサプライズにさせてほしいの」

絵里子は今まで何も欲しいと思った事はなかった。
矢崎さえそばにいればそれで良かった。
だから、これから一人ぼっちになる矢崎に何か残してあげたかった。

香織のアイディアは今の絵里子にピッタリだった。

「こんなおばちゃんの花嫁姿、喜ばないかもしれないけどね」

絵里子はそう言って嬉しそうに笑った。

「おばさんの言うとおりにする。おじさんビックリっせて忘れられない思い出作る」

「ありがとう・・・香織ちゃん、もう一つお願い聞いてくれる?」

「うん?言って、私何でもするから」

その言葉に嘘はなかった。
絵里子のために自分が何か出来るのであれば何をおいても聞いてあげたかった。

「・・・バイオリンを弾いて・・・」

「・・・え?」

絵里子は香織が大きな壁にぶつかっていることを見抜いていた。
そのせいで近頃バイオリンを聞かせてくれない事も感づいていた。
後ろで黙って立っている母との間に何かあるのもわかっていた。

絵里子にとって香織は本当の家族ではなかったが、短い間でも家族のように振舞ってくれた
そんな香織が本当の家族との間に溝を作ったままでいることは我慢できなかった。

なんとか、元に戻す手伝いがしたかった。
それが香織へのせめてものお礼になると思っていた。

「香織ちゃんの素敵なバイオリンの演奏で私達を祝福してほしいの」

香織も智子もこの時はとてもやりきれなくなるのだった。


「・・・なんだ・・・これ」

「お魚の煮付け」

食卓には魚をぶつ切りにして煮込んだ物が乗っていた。
頭から尻尾までそのままだった。

汁椀の中も覗いたがおおよそ料理と呼べるような物ではなかった。
ここへきて智子の料理がどれだけ素晴らしかったか思い知る達彦だった。

「ね、昨日も今日もどこへ出かけてるの?」

「ハローワークだよ。仕事探しで」

「まだいいんじゃない?そんなに急がなくたって」

「少しはのんびりしましょうよ。私達新婚なんだから」

達彦には燿子がどういうつもりなのかわからなかった。

「俺が仕事しなきゃ、お前だって困るだろ」

「また同じ事繰り返すつもり?私を前の奥さんと同じ目に遭わせるの?」

「どういう意味だ・・・」

「仕事なんかより家庭でしょ?あなたそれが身にしみてわかったはずよ」

燿子は席を立ち書類を2枚持ってきた。

「何でまだだしてないの!離婚届!・・出せないじゃないの!婚姻届!」

燿子はまだ二人が正式な夫婦になっていないことに抗議していたのだった。
達彦が新しい仕事を見つけるより婚姻届を提出する方が先だったのだ。

「パパ、どこにいったの?どうして居なくなっちゃうの?」

燿子が夜中に達彦を探していた。
夜中に燿子が目をさますと隣には誰もいなかった。

達彦は元良介が使っていた部屋にいた。
ドアにベッドでバリケードを作り燿子が入ってこれないようにしていた。

やがて燿子がやってきて開かないドアに気がついた。

「ここにいるのね・・パパ、ねえ開けて。いるんでしょ?」

燿子はドアを叩き中にいるであろう達彦に呼びかけた。
達彦は中で黙って耐えているのだった。

燿子は妻と呼ぶにはあまりに幼稚だった。
これは達彦の精一杯の抵抗だった。

燿子は諦める事無くドアを叩き続けた。
リビングの壁が崩れ落ちた、それは全ての終わりを告げる前奏曲だった。

朝。
達彦は目をさますとドアをそっと開けてみた。
ドアのそばで燿子が座り込んで眠っていた。

「バカだな、風邪でもひいたらどうするんだ」

達彦は燿子を抱えあげようとした。

「パパは平気なのよ。私がどうなろうと・・・死んじゃっても平気なのよ」

燿子は起きていた。
達彦は仕方なく燿子を寝室へ運び添い寝をして寝かしつけた。

達彦は新聞を取りリビングで広げて驚いた。

”晨宋建設社長が自殺”

とんでもない文字が飛び込んできた。

「自殺?!晨宋の古河社長が?!」

さらに未来クリエーション幹部に億単位の金が流れたと報道されていた。

「どういう事だ・・・億単位の裏金って・・・」

達彦の脳裏で楠田常務が笑っていた。
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