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幸せの時間 あらすじ 31話 [幸せの時間 あらすじ 31話]

幸せの時間 あらすじ 31話

「できたのよ・・・赤ちゃんが。パパはねこうなる事がわかっていたんですって」

「本当よ。夢に出てきてそう言ったの・・・ねぇ、パパ」

燿子は父の遺影に嬉しそうに話しかけ微笑んでいた。

「あり得ない・・・もし妊娠が本当だったとしても俺も子じゃない。他の男の子供だ」

達彦は否定した。
間違ってもそんな事があってはならなかった。

「あんな事言ってる、ひどいパパでちゅね」

燿子は自分のお腹に向かって言った。

「産むわよ、私。責任取ってね、パパ」

「ふざけるな・・冗談じゃないぞ、お前まさか片岡先生にその事・・・」

「話したわ。妊娠したって、パパは浅倉さんですって」

それを聞いて達彦の怒りが爆発した。

「おれを破滅させる気か!!」

達彦は歯ぎしりをしながら叫び、目の前のテーブルを力いっぱいひっくり返した。
燿子はさすがに驚いていたが今度はなだめるように言った。

「もういいじゃない。そこまでして出世なんかしなくったって」

「私、贅沢はのぞみませんから。大事な赤ちゃんのパパを破滅させたりするもんですか」

燿子は「ねぇ」とまたお腹に語りかけるように言った。

達彦の中で何かが音を立てて崩れていった。
それは達彦の人生の終わりを告げる葬送曲のようでもあった。

智子はどこからか良介と香織が描いた家族の絵を引っ張りだしてきた。

「見て、やっと見つけた」

「うわあ、下手くそ。奈津さんには見せられないね。お兄ちゃん」

「な、お前だって・・これ俺か?」

良介と香織がお互いの絵を見てじゃれあっていた。

「お世辞にも上手とは言えないけど・・・みんなあったかい」

そこには奈津が想像した通りの絵があった。
絵を見てホッとしたという智子に香織が「何故?」と尋ねた。

「少なくともこの頃はあなた達は、幸せだった。」

「ママもいいお母さんができてたのかなぁって」

すると良介が意外な事を口にした。

「俺、会ってみようかな・・・奈津ちゃんのお母さんに」

「良介・・・会ってどうするの?」

智子は良介が変わろうとしているのだと思った。

「わかんない。ビビって何も言えないかもしれないし」

「ただ、俺もしっかり現実をしるべきじゃないかって」

「奈津ちゃんが20年間どんな風に生きてきたのか、お母さんに合えばわかるんじゃないかな」

良介は少しづつ大人になりかけていた。
奈津の事を正面から受け止めようとしている事が智子に伝わった。

「兄貴、頑張れ!」

香織が応援してくれた。なんだか誇らしげだった。


やっと家にたどり着いた。
自宅までの距離がこんなに遠く感じた事は無かった。

達彦は玄関を開けて中に入るとその場に崩れるように座り込んでしまった。
家の奥は何やら楽しそうだったが今の達彦はそれどころではなかった。

「おかえりな・・・どうしたの?」

「いや、別に・・・」

智子が出迎えて達彦の様子がおかしい事に気づいた。
達彦はなんでもないふりをして中へ入っていった。

「お食事は?食べてきたの?」

「いや・・・」

「じゃあ、すぐ支度を・・・」

「ああ、いい・・・ちょっと胃の調子が・・・」

達彦は食事どころではなかった。実際に胃がキリキリと痛んだ。

「ねえ。赤ちゃんどうだったの?」

香織のその言葉に達彦はドキッととした。一瞬自分の心を読まれたのかと思った。

「奈津さんの検診、ママも一緒に行ったんでしょ」

「うん。エコー見せてもらった。よく動いて元気そうな赤ちゃんだった」

「じゃあ、男の子かな?」

「それがわかるのはもうちょっと先ね」

いつもの達彦なら話に割って入って、二言三言言っていただろう。
だが、今の達彦はそんな話を聞くのも嫌だった。

「女の子だったらお兄ちゃんベタベタの甘いパパになりそう」

「パパもそうだったの。香織が赤ちゃんの時抱っこしてたら、トロケそうな顔で・・」

智子はそう言うと後ろの達彦の方に振り返った。
達彦は生気のない顔で立っていた。その目は宙を見つめていた。

「・・・大丈夫?あなた・・・随分具合悪そうだけど・・」

「・・早めに休むよ」

達彦はそれだけを言うと寝室に入っていった。
達彦の頭の中は燿子の言った事でいっぱいだった。


智子と良介は奈津の母・喜代美のところへやってきた。
店の扉をくぐると喜代美の声が聞こえてきた。

「だあれ?・・・あんた、また・・」

喜代美は座敷でこちらに背を向け、瓶にラッキョウの漬物を入れ替えていた
喜代美は振り返って智子を認めると迷惑そうに言った。
後ろに従ってきた良介が前に出て喜代美に挨拶をした。

「浅倉良介といいます」

「息子です」

智子が付け足した。

「あの、奈津さんの事なんですけど・・・」

「ああ、じゃあこの坊ちゃんが・・・うぶそうな顔してる」

喜代美は立ち上がって良介の前に向き直った。

「災難だったわねえ。とんでもないのに引っかかって」

喜代美は相変わらず奈津の事をボロボロに言った。
喜代美は良介の口に自分で漬けたラッキョウを良介も口にほり込んだ。

「で?一緒にでもなるわけ?やめといたほうがいいって言ったのに」

良介はただ黙って立っていた。

「会っていただけないでしょうか?奈津さんに」

「会ってあなたがした仕打ちを謝っていただけないでしょうか」

「私が何したって?」

喜代美は再び
座敷に座りこちらに背を向けた。

「あなたは娘さんを自分の欲望の犠牲にした・・残酷で卑劣でおぞましい・・・」

「人の血が通っているとは思えないやり方で・・・」

智子は喜代美が奈津にした仕打ちをはっきりと指摘してみせた

「まるで化物みたい?」

「化物です!幼い心を食いちぎって引き裂いたんですから」

「母親なら命がけで我が子を守るべきなのに、どういうつもりで奈津さんを産んだんですか」

「十月十日おなかの中で育てた子じゃないですか。」

「泣いて叫んで痛みに耐えて、力振り絞って産み落とした子じゃないですか」

「あの時の喜びはどこへやってしまったの」

一気にまくし立てる智子の言葉を喜代美は黙って聞いていた。

「・・・産まなきゃよかったってことだよね。私みたいな女は。」

喜代美は母親の資格が無いのに子供を産んだと言われたのだと思っていた。

「違う!生まれてきてよかったって言ったんです。初めてそう思う事ができたって」

「感謝してるんです。お母さんに」

その言葉はきよみには意外だったようだった。
しかし智子は

「その言葉を聞いてあなたが許せなくなった。同じ母親としてあなたが許せない」

その言葉に喜代美は反応した。

「同じ母親?おたくと私のどこが一緒だって言うんですか!」

喜代美は智子が恵まれた環境で母親をやってきたと思っていた。
それ以上に自分の境涯が酷いと思っていた。

「赤ん坊産めばどんな女でも母親になれる、母親だったらわが子を愛さないはずがない」

「そんなのただの思いこみですよ」

喜代美は否定的だった。

「そんなことない・・・」

「いるんですよ!そういう女だって・・・自分じゃどうしようもないんです」

喜代美もなにかを抱えているようだった。

「あの・・・お母さん」

今度は良介が話し始めた。

「本当はお母さんに会うのが怖かった。奈津さんが背負ってる物が重くて・・・」

「でも、俺、男だからかな・・・お母さんの言うこと少しわかる気がします」

「子供を持ったからといって、すぐにちゃんとした親になれるわけじゃないですよね」

「母親だけじゃなく、父親も・・・実際事件もたくさん起こってる」

「お母さんが奈津ちゃんにした事だって本当にあり得ない・・・」

「だから、自分も父親になったら精一杯努力しなきゃって・・そう思いました」

喜代美は良介の言葉をジッと聞いていた。

「俺、奈津ちゃんを嫁にします。奈津ちゃんを産んでくれてありがとうございました。」

何かが喜代美の心に響いたようだった。

良介は喜代美にしっかりと頭を下げていた。
智子はそんな良介を見て自分の考えがまだ浅かった事を思い知らされた。

「勝手にしたらいいよ。私には関係ないんだから・・・」

喜代美はコップを取り出すとそこへ日本酒を注ぎ飲み始めてしまった。
それは喜代美の動揺を象徴していた。

ここで崩れてはいけなかった。

「会っていただけないんですか?」

「いまさら会って何になるっていうんです?」

「頭さげたからって過去が消えるわけじゃないんです。あの子を追い詰めるだけです」

「わかりゃしません。おたくみたいな立派な母親に、私みたいな女の気持ちは」

「二度と来ないでください」

喜代美は二人のほうを向きはっきりと言った。
智子と良介は仕方なく店を出ることにした。

良介は智子に智子と反対の事を言ったと謝った。
智子は何も言わなかった。
良介はそのまま、奈津の所へ行くと言って智子と別れた。

店の中では喜代美がコップに注いだ酒を一気に煽っていた。
もう、平常ではいられなかった。

こみ上げてくる想いに耐えられなかった。
忘れたことなんか一瞬だって無かった。

想いの欠片が涙になってテーブルに落ちた。

店から飛び出しそうになったが、かろうじてこらえた。
自分が出来なかった事をやってくれる人が現れたのだ。

喜代美は深々とお辞儀をし、いつまでもそこに佇んでいた。



智子は柳と逢っていた。

「どこが立派な奥さんなのかしら・・・」

「こんな事してるから?」

智子は柳の腕の中にいた。
偉そうな事を言いながら自分がやっている事は何なのだろうと思っていた。
しかし今の智子は心も体も柳を求めていた。
柳との関係があるからこそ自分は変われたのだと思っていた。

智子の気持ちは複雑だった。

「智子はやっと本当の智子になってきたんだ」

柳も智子が変わった事を肯定してくれた。

「二人でいる時はただの女になれ」

「柳くん・・・」

甘美な時間は瞬く間に過ぎていった。


良介は奈津の所へやってきた。

「会ったの?あの人に」

「うん。お礼も言ってきた、お母さんが産んでくれたおかげで、奈津ちゃんと逢えたから」

「あの人・・・なんて?」

奈津は良介の前にコーヒーカップを置きながら心配そうに訊いた。
良介は軽く首を横に振った。

「おふくろは会って謝れって言ったけど、俺はそうは思わない」

「いつか奈津ちゃんが会いたいと思う日が来たら会えばいい」

「その日が来なかったら・・・それはそれでいいよ」

それから良介はきちんと正座をし奈津をしっかりと見て言った。

「これからは俺がそばにいる」

「辛い時は俺に言って、俺も奈津ちゃんに全部見せるから」

「その時は助けてよ、甘えんなしっかりしろって、ケツひっぱたいてくれていいけどね」

「一緒にやっていこう。滑ったり、転んだりひっくり返ったりしながら・・・」

「これが最後のプロポーズ・・・」

奈津はまっすぐに良介の言葉を聞いていた。
そしてスッと立ち上がると、あのビーズに指輪を持ってきた。

「持っててくれたの?」

「・・・良介・・・私、あんたを幸せにする」

「奈津ちゃん、それ俺のセリフ・・・」

「今、あんたの顔見ながら本気でそう思ったから・・・」

良介は気づいた。
背伸びして奈津を守るなど出来るかどうかわからなかった。
ならば、お互いの足りない部分を補い合って二人で頑張ればいい。
そして、いつか奈津と子供を守れるくらいに強くなればいいのだと。

奈津も気づいていた。
誰かを幸せにしたいという気持ちがだいじなんだと。
それが愛なんだと。

奈津は自分から良介の前に左手を差し出し、良介はその薬指に指輪をはめた。

二人の間に静かな時間が流れ、二人の心はやっと結ばれた。


達彦は楠田に呼ばれていた

「片岡先生は何と・・・?」

「理由は本人の胸に訊け・・それだけだ」

「これで先生とのパイプは切れた、我社にとっては致命的だ!」

楠田にはさっぱり訳がわからなかった。
達彦も本当の理由を言うわけにはいかなかった。

「正直申し上げて、政治家との裏取引は、フェアではないと思います」

「規制のかかった土地を開発しようとしたプラン自体に無理があったと」

達彦は正論に打って出た。この場はこう言うしかなかった

「開き直りか!?他に案でもあるなら言ってみろ」

楠田は厳しい目つきで達彦を睨んだ。

「やはりここは人気の高いアザレアシリーズを新展開して・・・」

「晨宋建設の工事に手抜きはない、君ははっきりそう言ったな」

「・・・はい」

「だが、苦情の出どこはほぼ晨宋建設の手がけた物件ばかりだ」

「大丈夫なのかね?君が住んでる家は・・・」

「再調査をして、君の報告と違っていたら、もはや新しい企画どころではない!」

万事休すだった。
再調査などされたら全てが明るみにでてしまう。

達彦はもうもどれないところまで来てしまっていた。


香織は絵里子のところにいた。
今日は矢崎もそばにいた。

矢崎は絵里子の髪をまとめてあげていた。

「おじさん、今日会社やすんだの?」

「ああ、昨夜ちょっと熱が出たんだ」

それを聞いて香織は今度は絵里子に言った。

「大丈夫?おばさん苦しくない?」

「うん、もう大丈夫」

矢崎が無理に喋らなくていいといったが、絵里子は大丈夫と言って聞かなかった。

「ね、香織ちゃん、携帯あるでしょ?」

「うん、あるよ」

「写真撮って、家族写真。私達3人の」

矢崎が横から会話に入ってきた。

「今じゃなくて、もっと具合の良い時にしたら?」

矢崎は異常なくらい絵里子を心配していた。
すると絵里子は

「・・・時間が無いわ・・・もうそんなに。ねえ、撮って」

香織は携帯を開くと3人の写真を撮った。

「ああ、綺麗に撮れてる」

絵里子はとても喜んでいた。
香織が2枚目を撮ろうとすると矢崎はトイレに行くといって病室から出てしまった。

そんな矢崎を見ながら絵里子は寂しそうに笑っていた。

「おじさん、携帯貸して。写真赤外線で送るか・・・?・・・」

病室の外で座り込んでいる矢崎を見つけて香織は近づいた。
矢崎はそこで泣いているのだった。

「・・・おじさん・・・」

「本当なんだ・・・本当に時間が無いんだ・・・香織ちゃんも覚悟していてくれよ・・・」

矢崎は泣きながら絵里子がもう限界だということを香織に告げた。

矢崎は消えようとしている小さな火を守りたかった。
絵里子は生きた証をたくさん残したかった。

あんなに幸せそうだった二人が別れなければならないと知って香織は悲しかった


香織が家に戻ると大雨になった。
香織は絵里子の事を思うとやりきれなくなっていた。
ただ、庭を見つめボーッとたっていた。

「雨、随分ひどくなってきたわね・・・」

智子がやってきてカーテンを閉めた。

その時、智子の額に水滴が落ちてきた。
智子は天井を見上げた

「何これ!」

「もしかして・・雨漏り?この上、お兄ちゃんの部屋だよ」

二人は慌てて2階の良介の部屋に行った。
部屋に入って電気をつけるとベッドの上に大量の雨水が落ちてきていた。
あのシミのところから水が流れていた。

二人は慌てて布団をはぎベッドを動かした。

「バケツ持ってくる!」

香織は下へ駆け下りていった。
そこへ良介が帰ってきた。

「どうした?」

「雨漏り!お兄ちゃんの部屋!」

良介は急いで自分の部屋にあがっていった。

「うわ!なんだよこれ!」

雨漏りはひどくなる一方だった。
香織はバケツを置いたがすぐに溢れそうだった。

「こんな物じゃだめだ!どこか屋根裏へ上がれたよね」

良介は屋根裏へあがって雨漏りをなんとかしようとしていた。

「うわ、びしょびしょだ」

良介は懐中電灯で雨漏りの場所を探した。
そこはとんでもないことになっていた。

下では智子と香織が悪戦苦闘していた。

「香織!そっち!」

「キャッ!」

雨水を受けようとして香織は滑って転んでしまった

「嫌・・・もう・・・」

とても手に負える雨漏りではなかった。

家はとうとう傷だらけの姿を露わにしはじめた。

智子とその家族の運命の歯車はまだ回り続けていた。
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