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幸せの時間 あらすじ 30話 [幸せの時間 あらすじ 30話]

幸せの時間 あらすじ 30話

智子は奈津に突き飛ばされて床に座り込んでしまった。

「あんな人、私には関係ない!」

「関係ないって思いたい、でもそれができなくて苦しんでる・・・」

「お母さんの存在が幸せになりたいあなたを邪魔してる」

智子は立ち上がり、奈津の心に溜まってしまった膿を絞り出しにかかった。

「呪われてる、汚れてる、そう言ってお母さんはあなたを否定し続けた」

「うるさい!うるさい!」

奈津は両手で耳を塞ぎ、大声で叫んだ。

「お母さんのそばを離れても、声が頭に残ってどうしても消えない、逃げられない」

「うるさいいぃぃ!」

奈津の心に住む悪魔は智子を退けようと暴れていた。

「いくら母親だからって、そんな風に子供を支配する権利なんか無いのよ!」

「たとえ二人の間にどんな事があったって・・・」

その言葉に奈津は智子の方に振り向いた。

「聞いたんだね・・・あの事・・・」

「私が男を横取りした・・・あの人そう言ったんでしょ?」

険しい表情で奈津は智子に詰め寄った。
智子は奈津をジッと見据え黙っていた。

ここが智子の正念場だった。

「聞いたわ・・・でも信じられない。お母さん本当の事言ってるとは・・・」

智子の脳裏に奈津の母・喜代美が言った言葉が蘇ってきた。

”淫売ですよ、あの子は・・・”

「まさか、幼いあなたがそんな事・・・」

「・・・あの男がうちに来た時は嬉しかったよ。新しいお父さんだよって言われて」

「あなたの本当のお父さんは?」

「知らない・・・物心ついた頃は色んな男が出入りしてて・・・」

奈津は誰にも言わなかった心の闇を智子に語り始めた。

「あの人も私を置いて外泊ばかり・・・」

奈津は母が出かける度に「すぐ返ってくる」と指切りしてくれたけれど
守ってくれたことがないと言った。

「出かけたっきり何日も帰ってこなかった事も・・・」

「じゃあ、あなたその間ずっと一人ぼっちで?」

「冷蔵庫は空っぽ、お金も無いし、このまま死ぬのかなって思ったこともあった」

「だから、ホッとしたんだよ。ちゃんとした男を捕まえたって」

奈津はその男と一緒に暮らすと言われて、
家族という物に大きな期待や夢を抱いていたのだ。

しかし実際は、母は奈津の前で男と寝ているところを見せつける。
そしてその男は幼い奈津にまで手を出して来た。

それを知った母は・・・

「やっぱりこういう事だったんだね。この雌豚!」

「ガキのくせに人の男に色目使いやがって!」

全てを奈津のせいにしていた。
さらに奈津の母はその男に捨てられる事を恐れ、男の行動を全て黙認していたのだ。

「あなたとの事、見て見ぬ振りを・・・?」

奈津の話は智子の想像の上を行っていた。

「当たり前のように伸びてくる毛むくじゃらの手、突き刺すような目」

「それがずっと続いて地獄だった。」

奈津は幼い頃から実の母から親とは思えない扱いを受けてきたのだ。
幼い頃の忌まわしい記憶を初めて他人に打ち明けたのだった。

「真っ白な友達が眩しくて、死にたいって思った事も・・・」

「そのうち私にもあの人にも飽きた男が姿を消して、あの人は半狂乱になった」

奈津の母はそれも奈津のせいだと言った。
奈津があの男をしっかり虜にすることが親孝行だったんだと言った。

「親不孝者のお前は一生幸せになれない。」

「汚れた体でまともな男になんか相手にされない。」

「淫売、あばずれ、雌豚。死ぬまで泥水の中でのたうち回れ」

「もういい、もういいわ!奈津さん!」

智子にはもう聞いていられなかった。

「私は家を出て、本当の娼婦になった。もっと自分を汚して傷つけて」

「心からも体からも真っ赤な血を流して・・・膿だらけになるまでいたぶってやろうって」

智子は我慢の限界だった。
まるで我が子が目の前で傷だらけになっているように思えた。

気がつくと智子は奈津を腕の中へ抱きしめていた。
この手を解いてはいけないと思っていた。

「ごめんね・・・何にもしてあげられなくて・・・」

「あなた一人に辛い思いさせて・・・ごめんなさい・・・」

奈津の辛さが伝わってきた。
その傷を癒す言葉など存在しないように思えた。

智子は自分の無力さを思い知らされた。

「悔しいの・・・何にも出来ない自分が・・・あなたにあげる、一欠片の力も無い自分が」

「あなたは何も悪くない。だから許してあげて。それ以上心を縛っちゃだめ・・・」

「よかった・・・生きててくれて・・・」

智子は奈津が歯を食いしばって生きてきた事が奇跡のように思えた。
お腹の赤ちゃんと共に今行きている事が嬉しかった。

「きっとこれから幸せになれる・・・あなたも。赤ちゃんも・・・」

智子はもう一度奈津をしっかりと抱きしめてあげた。
それは奈津にとって初めて感じる母の抱擁だった。

木もれ陽のような柔らかな暖かさが奈津の闇を少しづつ打ち消していった。

「・・・私にある?親になる資格」

「もちろんよ・・・」

「ちゃんと愛してあげられる?こんな私でも・・・」

智子は黙って大きく頷いた。
赤ちゃんは産みたいがあんな母親になってしまわないかと心配する奈津に
智子は大丈夫だと言って聞かせるのだった。

-カタッ。

入り口で物音がした。
振り向くとそこに良介が立っていた。

「・・・良介。」

「いるの?赤ちゃん、奈津ちゃんののお腹に」

良介は奈津のそばへ駆け寄った。

「堕ろしてなんかなかったんだね。」

奈津は力無く頷いた。

「どうしてそんな嘘を・・・」

「責めないであげて」

智子が良介を制した。

「聞いてたでしょ?今の話・・奈津さんはあなたを自分のトラウマに巻き込みたくなかった」

「後はあなたがどう受け止めるかよ」

智子はあえて、良介に選択の余地を与えた。受け止められなくても不思議ではなかった。
それほど奈津の話は強烈だった。

そこには息子への信頼と智子の決意が込められていた。

「俺、何て言ったらいいか・・・ごめん、びっくりしちゃって」

「いいよ、無理ないよ。言えない・・こんな私受け止めて欲しいなんて・・・」

良介が答えを出すまでにはもう少し時間が必要だった。
そんな気持ちを奈津はちゃんと理解していた。

「大丈夫よ、奈津さん。良介がどうでも、あなたは私が守る」

「だから、安心して赤ちゃん産みなさい」

奈津にとって、こんなに力強い存在はなかった。
まるで母に支えられたような気がした。

あんなに嫌がってた智子が一番の味方になって良介はちょっと複雑だった。



浅倉家は4人で夕食を囲む時間が増えてきていた。
智子は今日の事を達彦や香織に話して聞かせた。

「奈津さん、可哀想。私だったら耐えられない。お兄ちゃん一体何迷ってるの?」

香織も最近は言いたい事を言うようになっていた。
色んな経験が香織を少し大人にしていた。

「これからは俺が幸せにするって、なんで言ってあげないの?」

「そう簡単には・・・」

香織の言う事は最もだが良介はまだ悩んでいた。

「育った環境が違いすぎるってことだ。ママが心配してた事、身にしみてわかったんだろ」

達彦が横から口を出した。
ところが、智子が自分からそれを打ち消しにかかった。

「恥ずかしいわ。人を見下すような言い方をして・・・」

「うちの息子にはふさわしくないなんて、思い込みだけで決めつけて」

智子は昔の自分だったら奈津の事など理解しようとせず
見なかった事にして遠ざけていただろうと言った。

「これからは、家族としてあの子に接するつもり」

智子は簡単に言ってのけた。
それは達彦には受け入れ難い事だった。

「そんな、結婚するならともかく・・・」

「だから、結婚しちゃえばいいんじゃない?」

今度は香織だった。達彦はそれでも反論した。

「厄介事がでてくるんだよ。そんな訳ありな人間と結婚したら」

「彼女のおふくろさん、今でも男の出入り激しいんだろ?」

「もし、うちに面倒でももちこまれてみろ」

それに反論したのも智子だった。

「そんな事今から心配したら何もできないわ」

「今は奈津さんに元気な心を取り戻してもらって、元気な赤ちゃんを産んでもらう」

「・・・それだけよ」

達彦は白旗をあげるしかなかった。
まさか智子がこんな事を言うようになるなんて思ってもみなかった。

「お前・・・本当に変わったな・・・」

不服そうに言う達彦に智子は生き生きした態度で返すのだった。
良介はそんな智子を見て、自分が情けなかった。

智子が夕食の後片付けをしていると良介がやってきた。

「ちょっといい?」

「・・どしたの?」

「ありがとう・・・奈津ちゃんすごく嬉しかったと思うんだ。おふくろに抱きしめられて」

良介は奈津が智子に自分の思う母親を重ねていた事、
とても暖かい智子の絵を描いていた事を伝えた。

「本当の母親にあんな風に抱きしめてもらった事無かっただろうね・・・本当にありがとう」

良介はそれだけを言うと自分の部屋へ引き揚げていった。
智子に助けられたのは奈津だけではなかった。
良介もまた母に助けられていた。

”ありがとう”には二人分の謝意が込められていた。


奈津の検診に智子が付き添っていた。

智子は待合室にいる赤ちゃんの相手をしてはしゃいでいた。
奈津は近くにいる赤ちゃんをモデルに鉛筆を走らせていた。

「よかったらどうぞ」

奈津は絵を仕上げるとその赤ちゃんの母親に差し出した。
このごろ奈津の表情はとても柔らかくなった。
かつてのツンケンしていた奈津とは別人だった。

母になる事への希望が奈津を元気にしていた。
それを支える智子の存在が大きな役割を果たしていた。

「私の絵を描いてくれたって、本当?良介に聞いたの」

奈津はスケッチブックをパラパラとめくってその絵を智子に見せてくれた。
奈津は昔、親の顔が描けなかった事や良介がのびのびと家族の絵を描いてきたのだろう
と思うと羨ましかったと言った。

「でも、そんなコンプレックス捨てる事にした」

「私が作ればいいんだものね、この子と。そんな家族を」

「おばさんが今まで誰にも言えなかった事聞いてくれたから・・・だから私」

自分のお腹をさすりながら、奈津は何かを言おうとした。
それが何だったのか、智子にはまだわからなかった。

「北島さん、北島奈津さん」

診察室から奈津を呼ぶ声がした。

「一緒に見て、エコー」

「いいの?」

奈津は智子に一緒に診察室に入って欲しいと言った。
智子は喜んで奈津に従った。

それはまるで・・・

「元気に手足を動かしてる。順調ですね」

医師はエコーを見ながら奈津に言った。
お腹の子は元気だった。
その姿は奈津に大きな勇気を与えてくれる。

「先生。私この子が大きくなったら、生まれてきて本当によかった」

「お母さん、ありがとうって絶対に言わせる。」

「私が今、初めてそういう気持ちになれたから・・・」

智子の愛は確かに奈津に届いていた。
奈津が少しでも智子に心を開いてくれているとわかって智子は嬉しく思うのだった。


達彦の上司の楠田が怒っていた。

「いったい、何をやらかした!」

「は?」

「片岡先生が秘書を通じて無かった事にしたいと言ってきた」

達彦には何の事かわからなかった。

「そんなバカな、何かの間違いです。先日の接待でも上機嫌で」

「どんな接待をしたんだ、君は」

「先生を怒らせたら、例のプランが日の目をみる可能性は消えたも同然だ」

達彦には心当たりがあった。
その夜、急いで燿子のいる店にむかった。

店に着くと達彦は店内を見回した。
しかし燿子のすがたを見つける事ができなかった。

達彦を見つけてママの珠子が近づいてきた。

「あいつはどこだ、あの女は?」

「春菜のこと?辞めたのよ・・・あの子」

「辞めた?」

「それも電話一本で・・・期待して可愛がってあげたのに」

珠子は随分とご機嫌斜めだった。
達彦には珠子と燿子のやり取りが手に取るようにわかった。

達彦は店を出ながら以前かかって来た燿子の携帯に電話してみた。
電話の向こうから聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「片岡先生に何をした」

「なんなの?やぶから棒に」

「わかってるはずだ。説明しろ」

「私もあなたに大事なお話があるの、今からうちにきてくださらない?」

達彦は言われるがまま燿子のマンションを訪ねた。

「どうぞ、お入りになって」

燿子は怪しげな笑顔で達彦を招き入れた。

「まだ焦らしてるのか。望めば何でも手に入る超大物だぞ」

「お前程度の女、いつまでもそんな手が通用すると思うな」

「酷いわ、言うにことかいて」

「能書きはいいからさっさと寝てやれ!」

達彦は苛立って自分のカバンをソファーに投げつけた。

「もう遅いわ」

「先生に何言って怒らせた。今すぐ泣いてすがって詫びるんだよ」

「無駄よ。何をしたって先生のあなたへの怒りは収まらない」

燿子は立ち上がり達彦の手をとると自分のお腹にあてた。
次の言葉に達彦は耳を疑った。

「できたの。赤ちゃんが・・・あの時の子よ」

「・・・嘘だ・・・」

達彦の頭にあの夜の出来事が蘇ってきた

「・・・まさか・・・」

「ハハハハ・・・・」

燿子の高笑いが響いた。
燿子は片岡にこの事を話したのだろう。

ついに燿子の復讐が始まった。

悪魔のような笑い声が響く中、達彦は呆然と立ち尽くしていた。
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