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幸せの時間 あらすじ 27話 [幸せの時間 あらすじ 27話]

幸せの時間 あらすじ 27話

達彦は智子に詰め寄った。
てっきり智子も奈津に赤ん坊を堕ろさせたいのだと思っていた。

「そんな、投げやりな・・・お前母親だろ」

「わかったの。どんなに頑張ったって、子供は親の思うとおりにはならない」

別に投げやりになったわけではなかった。正直な気持ちだった。

「見捨てるのか、失敗するってわかってて」

「絶対失敗するって決まったわけじゃないわ・・・香織が言った通りなのかも」

「失敗しちゃいけないって思い込んでたのよ・・・でも人生って失敗がつきものだった」

「積み上げて壊して、また積み上げる・・・それが家族・・・」

この家に越してきて多くの困難を一度に経験することになった智子は
階段を上りはじめていた。

その先に確かな家族の姿があると信じて・・・

3月になった。
庭には花が咲き始めていた。
香織のバイオリンのレッスンが始まる月だった。


とあるホテルのロビーで達彦と燿子が会っていた。
片岡が燿子を気に入った件だった。

「この間はすまなかった。君の気持ちも考えずに」

達彦はまず燿子に詫びた。
燿子の機嫌を損ねては、大事なプロジェクトが潰れてしまうかもしれなかった

「いいわよ。心にもない事言わなくても、ビジネスなんだからクールにいきましょ」

完全に燿子に見透かされていた。
達彦は得体のしれない恐怖を感じるのだった。

「あれからよく考えたの、この話が自分に損か得か」

「ママにこの商売合ってるって言われたけど、もう若くない。正直パトロンが欲しいの」

「申し分ないわよね、元大臣の片岡先生なら」

達彦はお互いの利害が一致すると言うとカバンから報酬の現金を出そうとした。

「お金なら、片岡先生にいただくわ。あなたにもそれなりの代償を支払ってほしいの」

「代償?」

燿子はニヤッと笑うと一枚のカードを達彦の前に差し出した。

そこには”7階701号室”と書かれていた。

「部屋・・・?」

「勘違いなさらないで、あなたに未練があるわけじゃありませんから」

「私はあなたのために好きでもない男に抱かれるのよ」

「あなたももう一度家族を裏切るくらいのリスクを負うべきじゃない?」

燿子は達彦を部屋に誘っているのだ。
しかし燿子が何をするつもりなのか得体がしれなかった。

「・・・それがお前の復讐なのか・・・」

「ビジネスだって言ったでしょ。あなたが来なければこの取引は不成立・・・」

「よく考えて決めてちょうだい」

達彦に選択の余地などありはしなかった。ただ悔しくて燿子を見送る達彦だった。


智子は遠目であるガソリンスタンドを眺めていた。
そこには懸命に頑張る良介の姿があった。

「良介・・・」

複雑な気持ちだった。
自分の言うことを聞かずに飛び出していったのに
一生懸命な姿を見ると応援したくなってしまう。

長居をするわけにもいかず、智子は去ろうとした。

「奥さん?智子さん?」

背後から声がした。振り向くと由紀が立っていた。

「ご無沙汰してます。お変わりないですか?」

そうなのだ。
柳の事があってから、由紀の顔がまともに見る事が出来ない。
長い間由紀の店には行っていなかった。

何も知らない由紀は久しぶりに智子に会った事を素直に喜んでいた。

「今月から香織ちゃんのレッスンが始まるって、主人のことよろしくお願いします」

「恥ずかし、浩ちゃんの事”主人”って言っちゃった。でもいつも子供扱いするし・・・」

智子はそれ以上聞いていられなかった。
由紀には本当に申し訳ないと思っていた。

「ごめんなさい。あまり時間が無くて・・・」

智子は慌ててその場を去っていった。


燿子が部屋で待っているとチャイムが鳴った。
誰が来たかわかっていた。

燿子はドアを開けると達彦を中へ招き入れた。

「再会と今日を限りのお別れに・・・」

燿子はテーブルの上のワインをグラスに注ぎ乾杯を求めた。
達彦はグラスをてに持とうとして異質な匂いに気がついた。

振り向くとそこのカウンターに男の写真と火の灯ったロウソク
線香が白く細い筋を天に向かって伸ばしていた。

「これは!?」

「父よ。私の大好きだったパパ。あなたもお焼香して」

燿子は父の写真を手に達彦と燿子が別れた日に父が亡くなったと言った。

「そうだったのか・・・」

達彦は何も言えずただそう言った。
しかし燿子はこれから始まる自分達の行為を父の見せるつもりだった。

「家族を守らなきゃいけないものね。一家の主は・・・」

燿子は達彦のネクタイを緩めながら言った。
達彦は覚悟を決めて燿子の唇を塞ごうとした。

ところが。
燿子がそれを拒むのだった。

「余計な事しないで!今日は私があなたを犯すの」

燿子は達彦を辱めようとしているのだった。


今日は久しぶりにみどりが訪ねてきていた。

「そうか、智子もとうとうおばあちゃんか」

「やめてよ」

みどりは良介の話を興味深そうに聞いていた。
みどりは智子が色々悩んだ事を聞くと人間らしくていいと言ってくれた。

「智子は迷うタイプじゃなかったじゃない。」

「結婚の時もそうだった。あっという間だった。こっちの方が心配になった」

言われてみればそうだった。智子は物事を簡単に割りきって
深く考えずに生きてきたのだった。

「・・・最近まで何も考えてなかったのよね、それが今じゃ」

「女の顔してる、今日のあんた。さっき玄関であんた見てドキッとした。色っぽくて」

「あんもう、変なこといわないでよ」

「良介くんの事だけじゃなさそうね、あんたの抱えてるモヤモヤは」

みどりの感の鋭さに智子は参ってしまった。
しかし柳の事だけは口が裂けても言えなかった。

「あなたが初恋の人に会ったって。あの時のクリスマスディナーどうだった?」

「・・・うん。素敵だった、ごめんね。お礼も言わないで」

「いいよ。智子が楽しかったのなら・・・」

みどりがそう言ってくれて智子は胸をなでおろすのだった。



夜になって智子は寝室の鏡台に向かって髪をとかしていた。
あとから達彦が入ってきたが、何も言わずベッドに入ってしまった。

達彦の頭には昼間の光景が浮かんでいた。
それは燿子の異常ともとれる行為、達彦は恐ろしい物を見る目で燿子を見つめていた。

智子もベッドに入ると柳との情事を脳裏に描いていた。
なぜだか、今になってつまらなく思えてくるのだった。

二人はまだ背中を向け合ったままだった。


次の日は香織のバイオリンのレッスンの日だった。
柳はまったく普通に振舞っていた。

「姿勢が良くなってみちがえた。音もグンとなめらかになったね」

柳に褒められて香織は喜んでいた。
そのあと香織は絵里子の見舞いに行くといって出かけていった。

「元気ないね・・・」

「そんな事・・・」

智子は今になって柳と関係を持ってしまった事を悔いていた。
由紀が知ったらどれだけ悲しむのだろう・・・

その原因を自分が作っているのだと思うとやりきれなかった。

次の瞬間、いきなり柳が智子を求めてきた。
柳は強引だった。

智子が尻込みするのもかまわず、そのままリビングで始めてしまった。

全てが終わって柳が庭への窓を開けると、誰かがいきなり声をかけてきた。

「レッスンお疲れ様・・・」

「篠田さん、どうして・・・」

それは篠田だった。

「浅倉さんのお宅の庭、僕がいじらせてもらってるので」

「ここにいたんですか?」

柳は篠田に全てを見られたのではないかと心配になった。
篠田はその質問には答えず

「智子さんを春の花に例えるとどんな花だと思いますか」

「華やかなアルメリア・・・清楚なスミレ、気高く艶やかなボタン」

「どんな色で、どんな匂いで・・」

柳は渋い顔をしていた。
篠田は全てを知っているのだと思った。


香織が絵里子の病室に着くと絵里子は眠っているようだった。
入り口で様子を見ていると、絵里子はフッと目を開けた。

「あ、香織ちゃん。この頃ずっと眠くって」

「バイオリン聞かせて」

絵里子は香織のバイオリンがお気に入りだった。
ずっとベッドで寝ている絵里子にとって香織のバイオリンはささやかな楽しみだった。

「赤ちゃんができたんだって?お兄ちゃんのガールフレンドに」

絵里子は良介の事を知っていた。矢崎が話してきかせたのだろう。

「生まれてくるんだ。とっても幸せな事よねえ、その話聞いてから嬉しくてしょうがないの」

死を覚悟した絵里子だから、生まれてくる命の尊さがわかっていた。
それを取り巻く状況などなんの障害にもならなかった。

香織は新しい命を素直に喜んでくれる絵里子を見つめていた。


達彦は片岡と燿子のために料亭に一席を設けていた。

「本日は私の一存で勝手にセッティングさせていただきました」

達彦は早々に引き上げる事にした。
あとは燿子がうまくやってくれる事を祈るだけだった。


浅倉家では智子が良介の部屋で春物の服をたたんでいた。
そこへ香織が入ってきた。

「わ、酷い・・・あんなになってる・・・」

香織は部屋の天井を見上げて言った。
あの天井のシミはドンドン広がるばかりだった。

「きっと、もう帰ってこないね。お兄ちゃん」

「奈津さんね、自分の事よりママの事心配してたよ」

「どういう事?」

智子は気のないふりをしていたがとても気になった。

「赤ちゃんの事きいて、酷いショック受けてたでしょ、だから」

「・・・・」

「ママが教えてあげればいいのに。つわりの事とか、気をつける事とか」

「なんで私が・・・」

「奈津さん、お母さんいないんでしょ?」

汚らわしいとといえば自分もそうだった。
奈津や香織にそんな事言えるはずがなかったのだ。

それにしてもこの気持は何なのだろう。
何故あの子をはぐくんであげたいと思ってしまうのだろう。

智子の女としての顔にもう一つの顔が芽を出しはじめていた。

智子の携帯が鳴った。メールの着信だった。

「ママ、家の中でも携帯持ち歩いているの?」

やはり不審だったか。
智子はなにも答えず廊下にでてメールを確認した。

それは柳からだったが、何か様子が変だった。
確かめたい事があると書かれていた。

次の日、智子は柳の車で篠田の事を聞かれた。

「篠田さんが?」

「ああ、何か知ってる口振りだった・・・何か話した?」

「まさか!」

柳は智子に篠田とはどういう関係かと聞いてきた。

「旦那以外の男は知らないと言ってたけど本当なの?篠田と寝たことがあるんじゃないの?」

「何言ってるの!?」

それが柳の本心なのか嫉妬なのかわからなかったが、智子は柳の別の顔を見たような気がした。
柳はさらに智子に辛くあたった。篠田と寝たと決めつけていた。

それは智子の憧れた柳ではなかった。

「酷いわ・・・」

智子は仕方なく篠田に襲われた事がある事を話した。
思い出したくも話したくもない事だった。

タイミングを見計らって智子はきりだした。

「いっそ、終わりにしない。私達」

「どうして、急に・・・」

「バッタリ会ったのよ、奥さんに・・・いつもと変わらない笑顔だった」

「この間まで私が由紀さんの立場だったのに・・・そんな事忘れて」

「いいの?本当に、これっきりで終わりに出来るの?」

そう言われると智子にも自信は無かった。
あの女の喜びは裏切りと背徳を覚悟して得たものだった。

とても理性だけで立ち向かえるものではなかった。
季節は春を告げているのに智子の心には北風がが吹いていた。

智子の春はまだ遠い先の事のようだった。
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