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幸せの時間 あらすじ 26話 [幸せの時間 あらすじ 26話]

幸せの時間 あらすじ 26話

「あなたはママを裏切った・・・」

智子は放心した顔で香織を見つめやがてふらふらと力ない歩みで帰っていった。
香織はただ黙って見送るしかなかった。

この時、香織は初めて自分の行為の愚かさに気づくのだった。
智子や達彦に偉そうな事を言っていた自分が恥ずかしかった。

香織は一人離れた場所で母のお弁当を広げるのだった。
母の愛情がいっぱい詰まったお弁当は、今日は涙でちょっとしょっぱかった。

蓋が壊れてしまったお弁当。
母との信頼も壊れてしまったのではと、心を痛める香織だった。

智子は何を信じていいかわからなくなった。
誰かに支えてもらわなければ倒れそうだった。

智子は携帯を取り出し柳に電話をかけた。
今、智子が信頼出来るのは柳だけだった。

ところが。

-只今、電話に出ることが出来ません・・・-

電話の向こうからは智子を拒否するメッセージが流れてきた。
唯一の救いを絶たれて智子は呆然とするのだった。

帰る気にもならず、智子は高台の公園にやってきた。
ベンチに腰をおろし自分の不幸を呪った。

智子の携帯が鳴った。柳からだった。

「さっきはごめん。どうしたの?こんな時間に・・」

「・・・ちょっと会えないかなぁって・・・」

「急には無理だよ、何か急ぎの用?」

「ううん・・・いいの。声が聞けただけで・・・」

「俺も会いたいけど、人目もあるし無理はしないでおこう」

「・・・そうね。でもちょっとでも時間が・・・」

ツーツーツー・・・

そこまで言った時は電話は既に切れていた。
智子はそこにも自分の幸せを感じることができなかった。

冷たい北風が智子の体を吹き抜けていった。
心が寒くて悲しかった。智子は泣きそうになる自分を必死にこらえていた。

そこへ一人の男がやってきて智子に手ぬぐいを渡そうとした。

篠田だった。

「使って下さい。汚れてませんから・・・」

「結構です」

智子は立ち上がりその場を立ち去ろうとした。
この男に今の自分の姿を見せるわけにはいかなかった。

すると。

篠田はいきなり智子の腕を掴み智子を強引に引き止めてしまった。

「満たされていますか?・・・幸せですか?」

篠田はいきなり智子にそんな事を訊いてくるのだった。
智子は心を見透かされたような気がした。
それが、この男でなければ頼っていたかもしれない。
だが、それが篠田である限りそれは智子への攻撃に近かった。

「・・・なんなの・・・」

「智子さんが女として幸せを感じていれば、僕はそれでいいんです」

智子の驚きはやがて恐怖へと変わっていった。
篠田はいったい何を知っていると言うのだ。

「・・おかしな事言わないでちょうだい」

智子はそれだけを言ってその場を立ち去るのだった。


達彦の仕事中、雅代がやって来た。

「部長。ちょっとこれ見ていただきたいんですが」

「なんだ?これは・・・」

それは仕事の書類ではなく、バッグのカタログだった。
雅代は達彦にバッグを買ってくれるようにおねだりしたのだった。

「貰ったんでしょ?晨宋建設にいけないお金・・・」

「手抜き工事の噂があるんですよね。晨宋建設って。何か裏がありそう・・・」

達彦は表情を変えないようにするのに必死だった。
雅代に感づかれてしまっては、どうなるかわかったものではなかった。

「いい加減にしてくれ!」

達彦は雅代の顔を見る事無く、席を立ち部屋を出ていった。

部屋を出たところで達彦の携帯が鳴った。
知らない番号の電話にでると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「もしもし・・私」

それは燿子だった。
どうやら、あれから携帯を変えていたらしい。

「昨日の件だけど、もう一度よく考えてみたの。」

「本当か?」

燿子はもう一度話が聞きたいと言った。
達彦はできるだけ早く会いたいと言ったが、燿子はしばらくしてからと言い
日時は改めて連絡すると言った。

電話を切って燿子は不気味に微笑むのだった。

そこへ矢崎が通りかかった。
矢崎は達彦が深刻な顔をしているのを見て、小指を立てて見せた。

「まさか・・・」

「さすがに懲りたか」

「あ、そう言えば飲みに行く話お預けだったな、どうだ?今夜」

「悪い、これから女に会いに行くんだ。これがいい女なんだ」

「はあ?病気の絵里子さん差し置いて・・・」

「誘われて断るわけにはいかない」

そう言って矢崎は行ってしまった。
達彦は呆れた顔で矢崎を見送った。

まさか、矢崎の言う女が我が娘であろうとは夢にも思わなかった。


「とうとうバレちゃったか。弁当売りの少女」

「バレ方最悪。昨日大事件があったばかりなんだよね」

「お兄ちゃんの彼女に赤ちゃんが出来ちゃったんだよね」

さすがに矢崎もこれには驚いたようだった。

「赤ん坊が?良介の彼女って・・・あの子か?」

香織は事の次第を矢崎に話すと智子のお弁当に対する思い入れを話してみせた。

「お弁当はママのプライドそのものっていうか・・」

「それだけ大事ってわかってて、なんで弁当売ったんだ?」

香織は当然の疑問だと思った。

「時々、ママに反発したくなるんだよね」

「ママって理想の世界に生きてる人だから・・・」

「自分の子供は素直で明るくて、自分の思うとおりに育ってるって信じてたと思う」

「だから私もママの期待を裏切らないようにって、無理してたところがあって」

矢崎はそんな香織に子供でも心のバランスは必要なんだと励ましてくれた。

「良介はどうなんだ?今まで反発した事なかったのか?」

「お兄ちゃんは私よりずっとまっすぐだから」

「そうは言ってもずっと不満を貯めこんでたかもな。」

「今までのようにいい子なら、彼女に赤ん坊堕ろさせて、さっさと大学いくだろう」

矢崎は良介も香織と同じだと言った。
香織は矢崎なら何かいい助言をしてくれると思った。

「ママになんて言ったらいい?」

「ごめんなさい。それしかないだろうな」

「こういう時は余計な計算は相手を傷つける。誠心誠意あやまるしかないだろ」



家に帰ると香織は矢崎の言った通りにすることにした。
タイミングを見計らい、壊れたお弁当箱を智子に差し出した。

「ごちそうさまでした。ごめんね、ママ。今までの事、本当にごめんなさい」

智子は何も言わなかった。表情は固いままだった。
そこへ達彦が帰ってきた。

「どうしたんだ?香織」

「私、ママのお弁当売ってお小遣い稼ぎしてた・・・ママの気持ち知ってて裏切ってた」

「なんだって・・・」

達彦は驚いて声を出したが、智子は無反応だった。

「ママの最後のお弁当だと思って食べました。今までありがとうございました」

それが香織の精一杯だった。
智子は黙って香織から弁当箱を受け取り・・・それをそのまま、ゴミ箱へ捨てた。

「使い物にならないでしょ?壊れたお弁当箱なんて」

香織と達彦は呆然と見ていた。
智子は香織を態度で拒絶したのだと思った。

「お弁当はこれからも作ります。でも食べようと食べまいと目配りするつもりはありません」

「私は母親としての義務を果たす・・・それだけよ」

決定的だった。
香織は母が許してくれないと思った。

智子は諦めてしまったのだ。
諦めることで、苦しみから逃れようとしていたのだった。

そう、智子の母・佐代子がそうしたように・・・


香織は部屋で落ちこんでいた。そこへ達彦がやってきた。

「ちょっといいか?お前何か欲しい物があるんじゃないのか?」

「ほしい物?」

香織は急には理解出来なかった。

「お洒落もしたい。遊びたい。中学生も大変だ。お小遣いが足りないならパパに言いなさい」

達彦はそう言って財布から1万円札を取り出すと香織に渡した。

「良介の事でママは不安定になってる。」

「出来るだけ波風立てないでうまいことやっていこう」

達彦はそれだけ言って部屋から出ていった。

「何にも響かない・・・パパの言葉、何にも響かない・・」

香織は達彦に失望していた。
あまりに矢崎と違いすぎた。

”ママの笑顔はパパが取り戻してみせる”

香織は嘘でも達彦にそう言って欲しかった。


智子は撮りためたお弁当の写真を眺めながら思いにふけっていた。
子供達が小さい頃、あんなに喜んでくれていたのに、どこかで間違ったのだろうか。

玄関チャイムが鳴った。
智子が扉を開けると柳が立っていた。

柳を玄関に招き入れた途端、智子の糸が切れてしまった。
智子は柳に抱きつき、溢れる感情を柳にぶつけた。

「柳君!来てくれたのね・・・色んな事があって辛くて・・・」

「柳君だけだわ、私の事本当にわかってくれるの・・・抱いて、今すぐ」

智子は柳との許されぬ行為に逃げ道を求めた。

智子のやっている事は燿子のそれと同じだった。


香織は家の前まで帰ってきた時に柳を見つけて駆け寄っていった。

「柳先生。ママと何か話を?レッスンの事とか?」

「そうじゃない。この近くに用があって」

柳は香織の家に来たのではないと言った。

「丁度、生徒の入れ替わる時期だから、3月からレッスンを始めよう」

「楽しみにしてます。ママのためにもちょっと頑張ろうかなって」

不思議そうな顔をする柳に香織は付け足した。

「ママにちょっと元気になって欲しいから」

「お母さん、何かあったの?」

香織はそれには答えず家に入っていった。

「ママ、今そこで柳先生に・・・」

香織がリビングに入ると誰もいない。
すると、浴室から智子がバスタオル1枚で出てきた。

「どうしたの、こんな時間にお風呂なんて・・・」

「・・お掃除してたら、頭から水かぶちゃって・・ちょっと着替えてくるね」

智子は慌てて寝室へ入っていった。

鏡台に座り鏡に中の自分を見つめると、さっきの情事が蘇ってきた。

香織は壁の仮面を見つめ、智子に不信を抱きながら
2階へと上がっていった。


次の日。
香織は良介と奈津のところへ行った。
良介に頼まれた荷物とつわりに苦しむ奈津にミント茶を持ってきた。

「お兄ちゃん、卒業式どうするの?」

「あー、出なくていいや。バイトあるし」

「バイト?」

「ああ、昼はガソリンスタンド、夜は居酒屋」

良介は生き生きしていた。
勉強に追いかけられていた頃とまったく違っていた。

「それじゃ。行ってくる」

「いってらっしゃい」

良介がバイトに向かい、奈津がそれを見送った。

「なんか、新婚みたい」

香織の言葉に奈津は素直に微笑んで見せた。

「それより、おふくろさん、どう?あれからちょっと心配で」

「強烈だったもんね・・・あの時」

奈津は智子の心配をしていた。
奈津にとって智子も良介と同じ、大切な人になりつつあった。

それは香織にも言える事だった。

香織は良介と奈津を応援すると言った。
生まれてくる赤ちゃんも可愛がるとも言った。

「恨んでないの?私の事」

奈津は香織に思い切って自分の気持ちをぶつけてみた。
自分は香織を危ない目に遭わせた張本人である事を気に病んでいた。

「私はあんたに援交やらせようとした」

「あれは、私のほうから・・・」

「下手すれば、あんたも汚れた烙印押されるところだった」

奈津はそこで智子が言った言葉を香りに思い出させた。

”他の男が父親じゃないの?””だってそういう商売してきたんだから”

確かに世間からあんな目で見られ続けたら、耐えられないかもしれなかった。

「・・・良かった。あんたが無事で」

その一言がとても嬉しかった。
香織は兄にも母にも無い、姉の暖かさを感じていた。

それは援助交際をしていた人物とは思えなかった。

「奈津さんはどうして援助交際を?」

「そんなの、お金が欲しかったからに決まってるじゃない」

奈津の言葉には嘘があった。
誰にも言えない闇を奈津は抱えていた。

「後悔してる?」

「もし、今後悔してるとしたら、良介を好きになった事かもしれない」

そこには奈津の深い想いが隠されていた。


香織は家に帰ると、達彦と智子に良介の所へ行ってきたことを告げた。

「あいつ、どうしてた・・・」

口を開いたのは達彦だった。
香織は良介が昼も夜も働いて頑張っている事を話した。

「結婚許してあげて。」

「そうもいかない。あの年で妻子持ちになったら苦労するのは目に見えてる」

「じゃあ、赤ちゃん堕ろして大学行けば絶対幸せになれるの?」

香織は奈津のお腹の小さな命を大事にするべきだと訴えた。
智子は何も言わずに黙っていた。

香織は自室に上がってしまい、達彦は智子に訊いた。

「お前まだ、説得してなかったのか?中絶しろって」

「あたしが?」

「当たり前だ、こういう事は母親が話すもんだ」

「中絶させろって言ったのはあなたよ、私はそこまで考えてない」

女として、母として、智子には中絶など許されない行為だと思っていた。
そこに良介の将来が絡んでしまったから悩んでいるのだ。

「良介のしたいようにすればいいのよ・・・自分で決めた事だもの」

まただった。
智子は出ない答えを諦めていた。

それは智子の母・佐代子の生き方だった。
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