So-net無料ブログ作成
検索選択

幸せの時間 あらすじ 24話 [幸せの時間 あらすじ 24話]

幸せの時間 あらすじ 24話

智子は慌てて帰ってきた。
柳と過ごした甘美な時間は、あまりに短かった。
気がつくと周りはすっかり暗くなっていた。
子供達がもう帰ってきている時間だった。

玄関を入るとそこに香織が立っていた。

「ただいま・・・どうしたの?」

「これ、ひどくない?」

香織は玄関脇の壁の亀裂を指して言った。
確かに以前より大きくなっていた。

「昼間の地震おおきかったでしょう?あの時ね」

「あったけ?地震なんか・・・」

天井裏の柱が抜けた事など知るはずがなかった。

「大丈夫かな、放っといたら壊れちゃうんじゃないの?」

香織はそう言ってリビングに入っていった。


香織の話によると、良介も帰ってきているらしい。
簡単に晩御飯も済ませたらしい。

「もう勉強してる。奈津さんに会ってすっきりしたんじゃない?」

「また、あなたはそんな事を言う・・・」

「別に、いやらし意味じゃないよ?」

「・・・・」

智子は反対に自分が恥ずかしかった。
まだ、さっきまでの余韻が残っているのだった。

香織が急に立ち上がった。じっと智子の顔を見つめている。
そのまま智子に近づいてきた。

「何?」

「ママ、もしかして今日のお出かけって・・・わかった・・・」

智子はドキッとした。顔に何かついているのか、それとも・・・

「エステでしょ?」

「・・・エステ?」

智子は胸をなでおろした。
浮気の痕跡が残っていたわけではなかったのだ。

しかし・・・

「つやつやしちゃって、すごい肌綺麗」

智子が女として満たされた結果だった。
しかし、香織にわかるほど違うとは思わなかった。

「いいなぁ、私もエステいきたいなぁ」

「あなたには、まだそんなのいらないでしょ?」

智子は香織の話に合わせる事にした。
その場を適当にごまかし、智子は良介の部屋に行った。

智子は晩御飯を用意してやれなかった事を誤ると奈津の話をきりだした。

「正直に言うわね。ママやっぱり奈津っていう子好きになれないの」

「そう?あっちは意外と好きかもしれないよ、ママの事」

それは奈津の描いた智子の絵を見た良介の感想だった。
あの絵からは暖かさが伝わってきた。
決して嫌いな人を描いた絵ではなかった。

智子が言葉に詰まっていると

「もういいかな?今大事なとこ、やってるんだ」

「あ、ごめん」

智子は部屋を出ると良介の言葉を噛み締めるのだった。

達彦は無事片岡の接待を終えた。
片岡は春菜・高村燿子を気に入ったようだった。

片岡を見送り、店に引き上げる燿子が途中で振り返って言った。

「お気をつけて・・・」

それは、まるで達彦を意識しているかのようだった。
なぜ燿子がこの店にいるのか、気が気でない達彦だった。


智子は寝室で鏡に向かって自分に問いかけていた。

「変わってしまった・・もう今までの私じゃないんだわ・・・」

それは許されぬ行為でしか味わえない女の喜び・・・

智子は柳との甘い一時を思い出し、その光と影に心を乱すのだった。


そこへ達彦が帰ってきた。
柳との情事を思い出していた智子は必要以上に驚いてしまった。

「何を驚いているんだ・・」

「急に開けるから・・」

達彦は着替えながらいきなり意外な事を言った。

「今夜、するか?」

「えっ?」

「聞いてるんだよ、まだ俺と寝る気があるのか」

智子は黙っていた。
そんな智子を達彦は見透かしていた。

「考えられないって顔してるな・・別にいいさ」

達彦はそのまま寝室を出ていった。

達彦は苦しんでいた。燿子の出現がそれを加速していた。
誰かに包んで欲しかったが、今の智子には出来なかった。

リビングの仮面をてにしながら智子は決意していた。
智子は仮面の下へ全てを隠す事にしたのだ。

「気づかせない・・・絶対に・・・」

仮面は智子の後ろ姿を見つめ、また笑っているように見えた。


次の日。
智子は出かける準備をしていた。

庭では篠田が庭作りをしていた。
智子がガラス戸を開けると篠田は智子に話しかけてきた。

「春に向けての準備です、固く閉ざされているようでも土の下では春の準備が始まる」

「芽生えて花咲く日を今か今かと待っているんです」

智子の頭の中で柳の言葉と篠田の言葉が重なった。

「楽しみにしていてください」

「この手で大切に花開かせて、美しく咲かせて見せます」

「春の花を、あなたのために・・・」

智子はそれ以上聞いていられなかった。
篠田の言葉には何か異常なものがあった。


智子が出かけてのはホテルの一室だった。
ドアを開けて中に入り、柳を見つけると慌てて駆け寄った。

「会いたかった!」

「俺も!」

二人は100年も離れていた恋人のように抱き合った。

「1時間しかないの、良介が帰ってくるから」

「わかってる」

二人は今日も許されない時間を積み重ねるのだった。

「もうすぐ二次試験だっていうのに・・・」

「悪い母親だ」

「悪い母親で、悪い娘よ。明日は父の納骨なのに」

智子は自分で確認したのだ。
どんなに良い母親でも、どんなに出来のいい娘でもただの女なのだ。

二人はまた背徳の淵へ落ちてゆくのだった。


奈津は今日も公園で似顔絵を描いていた。
少し離れたところで良介が見ていた。

似顔絵を一枚仕上げて客に手渡した後、奈津は口に手をあててえずいていた。
良介は慌てて駆け寄った。

「奈津ちゃん、大丈夫?」

「ちょっと気分が、もう治った」

奈津は良介になぜ来たのか尋ねた。
良介は奈津からパワーを貰いに来たのだといった。

「会えなくても顔見るだけでもよかったんだ」

奈津はそんな良介を抱きしめて力を分けてあげるのだった。
良介が立ち去ろうとした時、奈津は再びえづいてしまった。


部屋に戻った奈津が手にしていたのは妊娠検査薬だった。
その判定結果に奈津はため息をつくのだった。

そこへ急に良介が入ってきた。

「良介、どうして?」

「鍵、開いてた・・・よっぽど焦ってたんだね」

「見たんだ、ドラッグストアでこれ買うの」

良介はそう言って、そこにあった検査薬の箱を手にとった。

「どうなの?出来たの?俺達の赤ちゃん・・」

「一応調べてみようって思っただけ、遅れてるから」

奈津はそう答えたが、目が泳いでいた。

「見せて」

良介が検査薬本体を見ようとしたが、奈津は見せようとしなかった。

「見せてよ、俺にも・・・」

良介は強引に検査薬を奈津の手から奪い取っった

判定は陽性だった。

「これ、妊娠してるって事だよね・・・」

奈津は黙って頷いた。

「心配しないで、どうにかするから」

「どうにかって・・・?」

「ちゃんと堕ろすから・・・」

中絶するという奈津に良介が食い下がった。

「なんで、せっかくできた赤ちゃん殺さなきゃいけないの?」

「俺と奈津ちゃんの愛しあった証なのに」

「無理だよ!産むなんて」

奈津は現実的だった。
育てられるとは思わなかった。誰も祝福してくれないと思った。

奈津は母になる喜びを無理やりねじ伏せるのだった。

だが良介は違った。

「どうにかする。俺がちゃんと考えて」

「考えたって無理なもんは無理だって!」

「親のスネかじって大学へ行こうって人が親になんかなれるわけがない!」

「私だって、一人で育てていく勇気なんて無い!」

「どうして!なんで最初からダメって・・」

「あんただって、本当は困ってるくせに!!」

奈津は良介の言葉を受け付けなかった。

「良介の言ってるのは夢だよ。わかってるんでしょ?簡単な事じゃないって・・・」

「失敗したんだよ・・私達」

あの気丈な奈津が泣いていた。
奈津の思いの大きさが良介を押さえつけていた。
良介は言葉を失って立っているだけだった。



今日は隆久の納骨だった。
智子は父・隆久の遺骨を持ち、母・佐代子と岡島家の墓へ来ていた。
住職が読経する中、隆久の遺骨は墓石の中へ納められていった。

「結局、私もここへ入るのか・・・」

佐代子は墓を見つめてしみじみと言った。

「そうよ、他にどこがあると言うの?」

「この先ずっと、隣合わせねえ。・・・」

いかにも嫌そうな佐代子だったが、なぜか智子には佐代子がそれを望んでいるように見えた。


達彦の携帯に片岡から電話がかかってきた。

「先生、例の開発規制の土地の一件ですが・・・可能性は」

「・・・あの店の新人ホステス、なかなかいい女だったな、ちょっと口説いてみてくれんか」

片岡は達彦に燿子との橋渡しを要求してきたのだった。

達彦はその夜、燿子のいた見せに行き燿子を指名した。

「お待たせしました、ご指名いただきまして」

そう言って燿子は頭を下げた。
最初に達彦についたホステスは下がっていった。

「嬉しいわ、浅倉さんのような素敵な方に覚えていただいて」

「下手な芝居はやめろ・・・」

燿子は黙って笑っているだけだった。

「何を企んでいる。何でここにいるんだ」

「あのまま派遣で東京未来クリエーションに入ったほうがよかったかしら?」

「もったいない事したわ、せっかく採用通知もらったのに」

達彦は燿子のそんな言葉には耳を貸さず

「どこで聞いた、俺が社用でこの店を使ってる事」

「知りません。そんな事」

「嘘つけ」

冷たい達彦の態度に燿子の反撃が始まった。

「もしかして、あなたに会いたくてここに潜り込んだと思ってる?」

「だとしたら、思い上がりもいいとこ」

正直、達彦もそうだと思っていた。
達彦の男にとって、それが嬉しいのか、恐怖なのかはわからなかった。

「奥様はお元気?さぞ濃厚な夫婦関係を取りもどしことでしょうね」

燿子の皮肉が耳に痛かった。
達彦は我慢して用件に移った。

「会えないか?店が終わってから。昼間でもいい、君の都合に合わせる」

「なんなの?」

「頼みがある、君に・・・」

燿子は不審そうに達彦を見つめるのだった。


今晩は夕食は智子と子供達だけだった。

良介は奈津の事を考えていた。
いろんな考えが頭の中を堂々巡りしていた。

智子はそんな良介を見て疲れているのだろうと思った。

「泣いても笑ってもあと2日なんだから、少しは休んだら?」

「しっかり食べて、寝て、朝シャキッと起きれるようにしないと・・」

「わかってる。ごちそうさま」

良介はそのまま自分の部屋に引き揚げていった。

部屋に戻った良介は勉強が手につかず、奈津に連絡をとった。

「奈津ちゃん?体調どう?」

「あんまり・・・」

電話に出た奈津は苦しそうだった。
つわりが酷く、ろくに食べてもいなかった。

「病院は?」

「まだ・・・どうせ堕ろすんだったら早いほうが・・明日行ってこようかな」

「まってよ!」

良介は相変わらず抵抗した。

「意味無いじゃん、どうせ産まないのに。こんなに苦しいのに」

奈津の心は張り裂けそうだった。
あんなに憧れていた家族が自分のお腹にいる、できることなら産んでこの手で抱きしめたい。
諦めるしかないのに、もう一人の自分は産みたいと思ってる。

そんなもう一人の自分を良介がつなぎとめていた。

「あと2日だけ待ってよ。そしたら傍にいてあげられる」

「二人で考えよう。どうするのが一番いいか」

そこへ香織が良介を元気づけようと部屋の前までやってきた。

「奈津ちゃんだって本当は産みたいんでしょ?」

部屋の中からそんな良介の言葉が聞こえてきた。

「・・・お兄ちゃん」

香織の表情が驚愕に変わった。


達彦は遅くに帰ってきた。
ベッドに座って燿子の事を思い出していた。

あんな目に遭ったのに、思い出すのはかいがいしい燿子の姿ばかりだった。

”俺は・・・”

達彦は自分の本心がまた燿子を求めているのではないかと心配になってしまった。

ドアが開いて智子が入ってきた。

「今夜も接待?お仕事も大事だけどあんまり無理しないで」

達彦はおかしいと思った。

「お前・・・変わったな」

「えっ?」

「なんで急に優しくなった。」

「この間まで、棘のある言葉、俺に投げつけてきたのに・・・何があった」

「・・・ないわよ、何も?」

智子は達彦の方を見ず、平静を装った。
だが内心は柳の事を見抜かれはしないかとドキドキしていた。

「ただ責めるばっかりで、思いやりが足りなかった気がして」

「あなたも苦しんだんでしょ?私という妻がありながら別の人を愛してしまって」

「あなたが苦しんだ事をもう少し察してあげればよかったって」

智子にしてみれば自分を逆手にとったうまい言い訳だった。
達彦がその言葉の何かに反応した

「智子。抱きしめてくれ、二度と同じ過ちをおかさないよう、しっかり抱いてくれ」

達彦は後ろから智子にすがりつき、自分のなかに潜む何かに怯えながら言った。

この時二人の間に小さな小さな炎が点った。
誰も気づかなかった。
この炎が二人の運命の鍵を握っていた。


由紀は店を閉める後片付けをしていた。柳が店の中で座っていた。
柳の心はそこに無かった。

智子の元へ飛んでいた。

「今日ね、お客さんに口説かれちゃった」

由紀は柳に話しかけたが、反応がなかった。
由紀は後ろから柳に抱きつき、気を引こうとした。

「心配?・・そんなの相手にするわけない。私は浩ちゃん一筋だもの」

「浩ちゃんも私以外の人に目を向けちゃだめよ」

由紀は今度は柳の前に回って膝の上に座り込んだ。
由紀は得体のしれない何かを感じていた。
柳が遠くに行ってしまうような、そんな気がしていた。

「当たり前だろ」

柳は答えたがやはり智子の事が頭から離れなかった。

奈津はつわりと戦っていた。
鏡の自分は悲しそうな顔をしていた。

良介はなにもしてやれない自分が悔しかった。
思いつく方法はひとつだけだった。

香織は良介と奈津の秘密に心を痛めていた。
自分を助けてくれた兄を今度は自分が助ける番だった。

達彦は今一度夫婦の絆を取り戻そうとしていた。

それぞれの想いはその行き着く先も見ず走りだした。
早く気づかなければいけなかった。

家が崩れてしまう前に。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL:
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
「幸せの時間」昼ドラでメロメロ 結婚情報